正規に購入した特許製品を商標を差し替えたうえで再販する行為は特許権侵害を構成しない

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[ 2026-08-26 ]

——(2024)最高法知民終1193号

最高人民法院知的財産権法廷は、特許権侵害紛争事件を審理し、被訴侵害者が合法的なルートを通じて第三者から特許製品を購入した後、当該特許製品の商標を自らの商標として差し替え、自司で研究開発・製造したと対外的に宣言して販売する行為について、合法的に販売された特許製品の技術方案に実質的な変更がなく、当該特許の技術方案を実施または再現する過程がなく、専利法上の「製造」行為には該当せず、専利権の消尽が適用される場合に該当し、特許権の侵害を構成しないと判断した。なお、当該行為が商標権を侵害するか否かについては、商標法に基づき分析・判断すべきであると認定した。よって、最高法は原審判決を取り消し、特許権者の訴訟請求をすべて棄却するよう改判した。

本件は、「新型コロナウイルスに対する抗体、新型コロナウイルスの検出用試薬およびキット」という名称の特許(以下「係争特許」と略称する)に関するものである。係争特許の請求項2、6、7は、「新型コロナウイルスまたはそのNタンパク質に対する抗体、またはその機能的フラグメント」を保護しており、当該抗体は新型コロナウイルスまたはそのNタンパク質を検出するための試薬またはキットを製造する重要な原料である。菲某有限公司(以下「菲某公司」と略称する)は係争特許権の独占的実施権者であり、杭州華某有限公司(以下「華某公司」と略称する)が許可を得ずに、営利目的で「M9062型2019-CoV NP antibody」(以下「被訴侵害製品」と略称する)を製造、販売、販売の申出をした行為は係争特許権を侵害すると主張し、その侵害規模及び獲得利益は甚大であるとして、法院に対し、華某公司に侵害行為を停止し、経済的損失および合理的な支出3,024万元等を賠償するよう判決を下すことを請求した。華某公司は、被訴侵害製品は第三者を通じて菲某公司から正規品の特許製品「COV19-PS-MAb1」を購入した後、華某公司の商標に差し替え、名称を変更して再販したものであり、「特許権の消尽」に該当するため、特許権侵害を構成しないと抗弁した。

法院の審理の結果、菲某公司が公証購入した被訴侵害製品にはいずれも華某公司の商標が付されており、華某公司が自司ウェブサイトで当該製品を自司で研究開発・製造したものであると宣伝していたことが明らかになった。証拠によれば、華某公司が対外的に販売した被訴侵害製品はいずれも第三者を通じて菲某公司から購入したものであり、また、華某公司の販売数量は第三者からの購入数量を下回っていた。第三者の検査機関が作成した「モノクローナル抗体De Novoシークエンス分析」によると、被訴侵害製品の配列は、当該特許の請求項2における変異組み合わせ58の軽鎖・重鎖カバレッジがともに100%であった。

一審法院は、華某公司が自司ウェブサイトで被訴侵害製品を自司で研究開発したものであると宣伝し、商品に自司の商標を付し、さらに営業許可証に載っている経営範囲には生物試薬の加工が含まれていること、および対外的に自司が製造者であるとの意思表示をしていることなどの事実を総合的に考慮し、被訴行為は製造行為に該当し、専利権侵害と見たさない状況に属しないと判断した。よって、華某公司に対し、侵害行為を停止し、経済的損失6万元および合理的な支出14万元を賠償するよう判決した。華某公司はこの判決に不服として控訴した。

最高人民法院の審理の結果、華某公司の特許権の消尽の抗弁は成立し、当該被訴行為は係争特許権侵害を構成しないと判断した。主な理由は以下の通りである。第一、専利法の関連規定に基づき、専利権者または専利権者の許可を得た主体が専利製品を販売した後、被訴侵害者が当該専利製品を後続で使用、販売の申し出、販売、輸入する行為は、専利権侵害とはなされない。被訴侵害者が合法的に販売された専利製品に対し、直接または簡単な小分けを経てラベルを差し替えて再販する場合であっても、単にラベルの差し替えや自司で研究開発した製品であるとの対外的宣言などの行為のみをもって、専利法第11条に規定する製造行為を実施したと認定すべきではない。第二、本件の被訴侵害製品は係争特許の独占的実施権者である菲某公司に由来するものであり、華某公司が特許製品COV19-PS-MAb1を取得したルートは合法的であり、かつ合理的な対価を支払っているため、菲某公司はすでに合理的な対価を取得している。また、証拠によれば、華某公司の被訴侵害製品の販売数量は購入数量を超えていない。第三、華某公司が被訴侵害製品に対して行った行為は製造行為ではなく再販行為に属し、専利法における専利権消尽の規定の適用条件に合致する。華某公司が対外的に販売する試薬の外装に華某公司の商標を付していたとしても、係争特許の技術方案は、華某公司が菲某公司の特許製品を取得した時点で既に当該製品に具現化されており、華某公司の上記行為は当該特許の技術手段を再び実施または再現するものではない。したがって、華某公司の上記被訴行為は専利法第11条に規定する製造行為を構成せず、単に再販に該当するものであり、専利法第75条第1項に規定する専利権権侵害には当たらない状況に合致する。なお、華某公司の商標の差し替え行為が菲某公司の他の民事権利を侵害するか否かは、本件の審理範囲には属さないため、当事者は別途法的手段により権利を主張することができる。

本件は、特許権侵害紛争事件の審理において、被訴侵害者が合法的に購入した特許製品に対する「ラベル貼り」「ラベルの差し替え」「自司での研究開発・製造の宣伝」などの行為を一律に専利法第11条に規定する製造行為と認定してはならないことを明確にした。具体的な事案に照らし合わせ、被訴侵害者による特許製品の処分行為が係争特許の技術案を再び実施または再現するものであるかを審査しなければならない。なお、当該行為が商標権を侵害するか否かについては、商標法に基づき分析・判断すべきである。

ソース:IPRpark

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