専利法上の使用行為の認定

Foundin
[ 2026-05-08 ]

――(2023)最高法知民終1477

裁判要旨

侵害製品を製造したうえで他者に提供し、当該他者がその侵害製品を使用して得た他の製品を買い戻して転売することにより利益を得ている場合、侵害製品の製造者は製造行為に加えて、他者と共同して使用行為を実施したものと認定されるべきである。

キーワード

民事事件 実用新案権侵害 使用行為

事件の経緯

瀋陽市某編み袋加工工場(以下、某加工場と略称する)、黄某は、自分は特許番号が20122039****.1であり名称が「倒料機」である実用新案(以下、係争専利と略称する)の専利権者であり、係争専利の実施権を某加工場に独占的に付与したと主張した。ホリンゴル市某資源リサイクル公司(以下某物資公司と略称する)は20191月から反転機(以下、被訴侵害製品と略称する)を製造し、第三者である内モンゴル某アルミ材公司(以下、某アルミ材公司と略称する)に提供し、某アルミ材公司から完全な包装袋を回収して再販売する方式で利益を得ていた。発効判決は某物資公司の被訴侵害製品の製造・販売行為が権利侵害を構成することを認め、某物資公司に対して20191月から5月までの間の権利侵害行為について、黄某に15万元を賠償するよう判決した。しかしながら、前記発効判決は20191月から5月までの損害賠償問題のみを審理したが、某物資公司は上記訴訟の審理期間中にも侵害行為を停止しなかったため、某物資公司が黄某に20196月から20208月までの経済的損失3546465.69元及び権利保護のための合理的な支出70000元を賠償する旨の判決を請求した。

某物資公司は、某加工場、黄某が主張する権利侵害利益の計算方式は根拠が不足して、且つ某加工工場、黄某が故意に損害結果の拡大を放置したため、某物資公司の賠償責任を軽減または免除すべきだとと弁明した。

法院の審理において、黄某は係争専利権者であり、某加工場は係争専利を独占している被許諾者であり、双方は係争専利の実施による収益は黄某に帰属することを約束した。係争専利が解決しようとする技術的課題は、完全な状態で包装袋を回収可能かつ作業効率が高い倒料機を提供することである。某物資公司は被訴侵害製品の製造者であり、2019218日に某アルミ材公司と売買契約を締結し、某アルミ材公司から反転袋およびカット袋を購入するとともに、某アルミ材公司に反転袋の回収に必要な反転機を無償で提供すると約束し、契約期限は201911日から20191231日までである。契約満了後、双方は契約を更新し、有効期間を202011日から同年1231日までとした。2019823日、黄某は某物資公司、某アルミ材公司が共同で被訴侵害製品の製造・使用行為を実施し、権利侵害に及んでいるとして上訴した。一審法院は民事判決を下し、某物資公司に対して被訴侵害製品の製造を停止し、某アルミ材公司に対して被訴侵害製品の使用を停止し、某物資公司に対して201911日から同年520日までの期間における黄某の経済的損失15万元の賠償するよう判決した。黄某、某物資公司はともにこの判決に不服として上訴した。最高人民法院は2022523日付(2021)最高法知民終1423号判決において、双方の上訴を棄却し、原判決を維持と判断した。本件において、当事者双方は前記発効判決が認定した侵害事実について異議を述べておらず、新たな証拠も提出していない。

一審法院は本件について民事判決を下した。某物資公司に対して201961日から2020831日までの期間における黄某の経済的損失45万元を賠償するよう判決した。某加工場、黄某はこの賠償額の認定が不当であるとして上訴したが、最高人民法院は20241118日に(2023)最高法知民終1477号判決を下し、上訴を棄却し、原判決を維持すると判断した。

裁判意見

法院の発効判決は、本件の争点は某物資公司が20196月から20208月の期間について侵害責任を負うべきか否かにあると判断した。

本件において、某物資公司と某アルミ材公司の協力形態は以下のとおりであった。某物資公司が被訴侵害製品を製造し、これを無償で某アルミ材公司に提供し、某アルミ材公司は被訴侵害製品を使用して反転袋を回収し、その回収品を某物資公司に販売する。これにより、某アルミ材公司は反転袋の販売利益を得、某物資公司は回収した反転袋を再販売することによる価格差益を得ていた。このような協力関係のもと、某物資公司と某アルミ材公司の行為は相互に補完・連携しており、某物資公司が某アルミ材公司に被訴侵害製品の使用を許可した行為と、某アルミ材公司が直接被訴侵害製品を使用した行為とは、専利法上の共同使用行為を構成するものである。本件の事実認定によれば、2020818日時点においても被訴侵害製品は依然として某アルミ材公司にあった。某物資公司は専利権者の許可を得ずに被訴侵害製品を製造し、上述の協力形態を通じて某アルミ材公司に使用を許諾したため、その製造行為および使用行為はいずれも権利侵害に構成し、相応の侵害責任を負うべきである。なお、某物資公司の製造行為については、すでに860号判決において認定・評価されているため、某加工場、黄某の主張に基づき、本件では201961日から2020831日までの期間における某物資公司の被訴侵害製品の使用行為が専利権者に損害を与えたものとして、対応する侵害責任を負うべきである。

ソース:最高人民法院知識産権法廷

https://ipc.court.gov.cn/zh-cn/news/view-5239.html