臨時保護期間満了後に方法特許を使用し続けて特許侵害を構成最高人民法院は侵害行為を停止し、損失530万元余りを賠償するよう判決

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[ 2023-11-20 ]

--(2021)最高法知民終434

最近、最高人民法院知識産権法廷は、臨時保護期間が満了した後の方法特許侵害紛争事件を審理して、方法特許侵害の認定基準及び使用方法特許には合法的な出所抗弁を適用しないなどの法律適用問題を明確にした。これは、同類事件の処理に対して一定の参考意義がある。

中集某公司などの三つの原告は、特許番号が201510465803.9で、名称が「缶容器組立台及び組立方法」であり特許の特許権者である。特許の臨時保護期間中、靖江市の装備公司は被疑侵害缶容器組立台を購入し、この組立台を使用して缶容器製品を製造し、特許登録後にも引き続き実施した。中集某公司などの三つの原告は靖江市の装備公司が特許権を侵害したとして訴訟を提起した。

第一審法院は、靖江市の装備公司が臨時保護期間中に被訴侵害製品を購入し、係争特許の授権公告後に被訴侵害製品を使用して生産に従事した行為は侵害にならないと認定した。中集某公司などの三つの原告は不服として、最高人民法院に上訴した。

最高人民法院第二審は次のように判断した。靖江市の装備公司が係争特許の授権公告後に引き続き被訴侵害製品を使用し、特許方法を実施した行為は特許侵害行為を構成し、その合法的な出所抗弁で権利侵害にならないと主張することは成立しないと判断した。その理由は次のとおりである。

まず、合法的な出所抗弁は賠償責任を免除する抗弁であり、善意の第三者を保護しようとする制度の専利法における具体的な具現であり、その適用対象は特許侵害製品の使用者、販売者、承諾販売者に限られ、具体的には特許侵害製品を使用、販売、販売の申し出をするまたは特許方法に基づいて直接獲得した製品を使用、販売、販売の申し出をする場合を含み、特許方法を使用する場合を含まない。合法的な出所抗弁は特許方法を使用する行為には適用されず、現行の法律と司法解釈の規定を突破して特許方法を使用する権利侵害行為に合法的な出所抗弁を適用してはならない。

次に、使用者が係争特許臨時保護期間中に特許侵害製品を購入することにおいて、合法的な出所抗弁は実質的に製品の物理的条件によって制限され、使用者は無期限に特許技術を実施してはならない。

具体的には、特許臨時保護期間は特許公開日から登録日までの間の相対的に固定された期限であり、特許が登録された後、特許権者が特許臨時保護期間の使用料の紛争を提起したとき、当該特許臨時保護期間はすでに明確で、すでに過ぎた期限であり、この期間内に発生した特許権者の許可を得ずに特許権を実施した行為のみがこのような紛争審理の対象となる。

この期間中、製造者が被疑侵害製品を製造した数量及び使用者が被疑侵害製品を購入した数量は相対的に明確であり、時間の経過に伴って絶えず増加することがなく、その期間に特許権者の許可を得ずに製造した製品も時間の経過に伴って損失が発生するはずであるため、特許侵害製品の合法的な出所抗弁を支持することは特許権者の利益を過度に損なうことはない。但し、特許方法を使用する侵害について、通常は前述の製品の物理的条件によって制限されず、特許方法を使用する侵害行為に対し合法的な出所抗弁を適用すると、使用者は無期限に特許技術を実施することができ、特許権者の利益を過度に損なう可能性が生じる。

最後に、合法的な出所抗弁は、特許侵害製品を使用する方法で特許方法を使用する侵害行為を実際に構成するには及ばない。製品特許と方法特許の保護範囲の延伸性は異なる。方法特許の保護範囲は特許方法により直接に得られた製品まで及ぶが、製品特許の保護範囲はその製品自体のみに及び、その製品の使用方法まで及ばない。製品特許の保護範囲自体が特許製品の使用方法まで及ばない状況で、合法的な出所抗弁は特許方法を使用する侵害行為まで及ぶことができない。

要するに、最高人民法院第二審は靖江市の装備公司が侵害行為を停止し、経済的損失および合理的な支出530万元余りを賠償するよう判決した。

本事件の判決は、特許の登録により臨時保護期間が満了した後、方法特許の技術を継続的に実施する行為は権利侵害を構成することおよび方法特許侵害において合法的な出所抗弁を適用しないなどの関連法律の難点に対して明確な分析を行い、特許権者、特に方法特許権利者の合法的権益を効果的に保護し、臨時保護期間が満了した後の各方面の市場主体の経営行為を規範することに対して積極的な指導作用がある。

ソース:最高人民法院知識産権法廷

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