全国法院の典型的な判例|電気自転車車体プラスチック部品意匠侵害紛争事件

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[ 2023-02-20 ]

 

全国法院の典型的な判例|電気自転車車体プラスチック部品意匠侵害紛争事件

 

専利篇

 

第22回世界知的財産権月において、China IPは、「2021年全国法院の知的財産権典型的な判例」を特別に推薦した。今回の企画において、全国各地の30個近くの法院が推薦する188の典型的な判例を取り上げ、読者が中国における知的財産権事件の裁判動向及び発展特徴をより詳細に理解できるようにした。

 

電気自転車車体プラスチック部品の意匠権侵害紛争事件

 

一審の事件番号 :(2019)蘇05知初第261

二審の事件番号 :(2019)蘇知終4

裁判要旨

 

被告は電気自転車の主要車体のプラスチック部品の供給業者であり、被疑侵害製品は電気自転車の主要車体のプラスチック部品である。法院は被告が当該プラスチック部品を組み立てると、係争電気自転車の完成車の意匠権を侵害することになることを明らかに知りながら、当該プラスチック部品を広報·販売し、それは寄与侵害を構成すると認定した。

 

事件の紹介

 

原告:江蘇愛瑪車業科学技術有限公司(以下、愛瑪公司と略称する)

被告:錫山区査橋大友車両部品商行(以下、大友商行と略称する)

 

愛瑪公司は係争「電気自転車(雪豹)」の意匠権者である。調査を経て、愛瑪公司は大友商行が製造、販売及び販売の申し出をした電気自転車の車体シェルプラスチック部品が係争専利の車体シェルプラスチック部品と類似していることが分かり、超成律所に依頼して大友商行からプラスチック部品を公証購入するとともに、「雪豹」と表示された電気自転車の完成車の写真が印刷されたパンフレット及び購入物品が「雪豹」と表示された領収書を取得して法院に侵害訴訟を提起した。

 

蘇州市中級人民法院一審において、大友商行の行為が販売の申し出を構成したと認定し、原告に1万元を賠償するように判決したが、大友商行が直接侵害及び間接侵害を構成したという愛瑪公司の主張を支持しなかった。愛瑪公司は一審判決に不服して江蘇省高級人民法院に控訴した。二審において、愛瑪公司は大友商行が電気自転車の車体シェルプラスチック部品を提供する行為が寄与侵害を構成するという点を重点的に主張した。愛瑪公司は二審において、直接侵害行為の存在及び大友商行の寄与侵害行為をしたことを証明するため、別案の発効判決書、第3者証人証言、係争専利製品の認知度証拠などを追加的に提出した。

 

江蘇省高級人民法院に審において、大友商行の行為が寄与侵害を構成すると認定し、一審判決を取り消し、大友商行が愛瑪公司に15万元を賠償するように判決を下した。

 

北京超成法律事務所は、原審の原告、上訴人(愛瑪公司)の代理人として、本事件の第一審、第二審に参加した。

 

典型的な意義

 

一般的に、電気自転車製品の設計特徴は主に車体シェルプラスチック部品に集中しており、侵害電気自転車プラスチック部品の供給業者は侵害行為の本元として専利権者が重点的に取り締まろうとする対象である。しかし、電気自転車のプラスチック部品の供給業者が提供するプラスチック部品は、しばしば一部の部品が不足することが多く、専利権者が証拠収集過程で電気自転車のプラスチック供給業者から電気自転車のプラスチック部品の供給を受けたため、その供給を受けた業者が直接侵害行為を構成したということを立証することが難しいため、電気自転車のプラスチック部品供給業者を対象にした権利保護は相対的に難しい。

 

電気自転車の車体プラスチック部品の供給業者の権利侵害事件に対して、専利権者は多様な観点から権利侵害を構成することを立証し、単一論証構想による権利行使が失敗することを免れることができる 。本事件において、大友商行が電気自転車の車体シェルプラスチック部品を提供する行為に対し、愛瑪公司は異なる観点から権利侵害を構成することを立証した。まず、大友商行の行為が販売の申し出を構成したと主張した。愛瑪公司は大友商行が提供したパンフレットに係争専利と類似の雪豹電気自転車の写真が印刷されており、販売の申し出を構成したと主張する。第二に、愛瑪公司は大友商行の行為が直接侵害を構成すると主張した。愛瑪公司は大友商行が提供した電気自転車の車体プラスチック部品が係争専利電気自転車の主な設計特徴であり、鞍や車輪などの通用部品が不足しても係争専利と直接比較することができ、直接侵害を構成すると主張した。第三に、愛瑪公司は大友商行の行為が寄与侵害を構成すると主張した。愛瑪公司は大友商行が当該部品を組み立てると、係争意匠権を侵害することを明らかに知りながら、当該部品を広報·販売した行為は寄与侵害を構成すると主張した。このうち、第一項の主張は一審判決において支持が得られ、第三項の主張は二審判決において支持が得られた。

 

本事件の二審法院は、先発効判決、証人証言などの証拠を総合的に考慮して、最終的に電気自転車の車体プラスチック部品供給業者の車体プラスチック部品を提供する行為が寄与侵害を構成したと認定し、専利侵害行為を根本的に取り締まり、専利権者の合法的権益を保護した。

 

ソース:知識産権家

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